種子島豆知識
種子島といえば、「ロケット発射場」と「鉄砲伝来」のイメージが強いようですが、間違いなく「南のリゾート」であり、「美しい海の島」なのです。日常を忘れさせる絶景と、安納芋の焼き芋、自然の創り上げた洞窟、マングローブの森、絶品・島カツオの刺身などなど、想い出にしていただきたいことがい~っぱいあります。できるだけゆっくり滞在して、島の伝統や歴史に触れてみてください。島民の優しさや温かさを、じわ~っと感じてもらえるのではないでしょうか。
広田人
-貝細工・装飾品の海人たち 1700年前の生活に触れる-
「広田人」は、およそ1700年前~1300年前(古代から弥生時代終末期)に種子島に住んでいた民族です。海岸の砂丘に作られた墓地に、美しい貝の装飾をして埋葬されていました。 この文化は日本ではほかに類を見ない貴重なデータで、南島文化と琉球文化の接点であるといわれています。平成27年3月にオープンした「広田遺跡ミュージアムには、2966点もの貝細工・装飾品、92点の土器、28点のガラス小玉、15点の石器などが展示されています。
インギー鶏
-島民とドラベルタン号の絆-
明治27年4月11日に上海を出港し、アメリカに向かっていたイギリス船「ドラメルタン号」。同年4月25日午後11時頃、暴風雨により種子島沖に座礁し、救助を求め花火を上げているのをたまたま海岸の小屋にいた漁師が気づき、島民による救出活動が始まります。 乗組員29名全員を無事救助した島民は、それぞれの家で船員を預かり、手厚くもてなしました。2か月に及ぶ献身的な心に感謝したコーウェル船長は、食料として中国南部で調達していた11羽の鶏を島民に贈ります。大切に育てられた鶏は今も島で飼育が続けられ、イギリス人(インギー)のプレゼント、「インギー鶏」として種子島の名産となっています。
安納芋
-スマトラから来た「蜜の味」-
信じられない甘さが魅力!上手に焼き芋にすれば糖度40度という「安納芋」。 種子島安納地区のおばちゃん達が心込めて育てた、天然100%のスイーツなのです。 実はこのイモ、太平洋戦争後、帰還兵だった男性がポケットに入れて持ってきた「スマトラ産」なのです。種子島の土壌が合ったらしく、現在ではこんなにおいしく育ちました! 島でも色々なお菓子に使われていますが、まずはシンプルな焼き芋をおすすめします♪
古代米(赤米)
-稲の最古品種に太古を想う-
「赤米(あかごめ、あかまい)」とは、玄米の種皮または果皮にタンニン系の赤色色素を含む品種を指します。 島内の宝満神社に赤米が奉納されてきた経緯もあり、島の代表的な特産品の一つとされています。普通の品種と比べたんぱく質やアミロースを多く含むため粘り気がなく、白米やもち米と混ぜて炊くことが一般的です。
鉄砲伝来秘話
-歴史を変えた火縄銃-
1543年8月25日、岬から見下ろす小浦に一隻の大きな異国船が漂着。台風の影響で流されたとのことですが、顔や姿が異様で言葉も通じません。乗組員のうち数人が小舟で浜に着き、西之村の地頭西村織部丞が明国の五峰と名乗る儒学生と砂浜で筆談し、乗っていたポルトガル人の持つ「火縄銃」とはどういうもので、戦いのあり方がどう変わったのかをようやく理解するに至ります。ことの重大さに気付いた西村は当時の赤尾木城(現西之表市)へ早馬を飛ばし島主に知らせました。乗組員一行はその後約半年間種子島に滞在し、新鋭の武器が国内での戦法を一変させるきっかけとなったのです。